よくある奴

別に面白くもない家族の話とか昔話とか。

ペイズリー柄

嫁「ペイズリー柄ってさ、何というかあの独特な柄がスタンダードとして長年あり続けるってすごい事だよね。見ようによっては不気味にすら見えるのに。」

俺「オス!オラ悟空!チチ、ちょっとオラにペイズリーしてくれねえか?」

 

すげぇ怒られた。

笑ったくせに。

お題に則した話

今週のお題「朝ごはん」

ぶっちゃけ自分自身は朝飯は食わない事のが多い。朝飯を食う暇があるならその時間でタバコが吸いたいから。

 

だけど末娘の為に毎朝朝ごはんを作ってる。

朝から米は重くて嫌だと言うので、米は避けてる。

 

フレンチトーストとかパンプディングとかホットケーキとか作るんだけど、ぜってぇ米よりこっちのが重いよね。

米使った朝飯用意して、まるっと残されてるのを見ると悲しい気持ちになるし、娘が喜ぶから作るんだけどさ。

卵が中々手に入らなくなってるからそれらも毎日作るのは大変。

20代の頃のお話

もう40代半ばを過ぎ、もうすぐ孫が生まれるっつークソジジイな俺だけど、20代の頃の俺は清々しい程にクズだった。

 

良くあるジジイの「昔は俺もワルだった」みたいな話では無い。

ワルでは無かった。人としてクズだった。

 

まずね、車のローン、携帯代金、保険料、基本的に毎月払わなきゃ行けないお金っていうお金はまともに払った事がなかったよ。

つーか100万で買った車、納車4日で事故った。

そして新たにローン組んで修理して、どっちも払わなかった。

サラ金屋さんは連絡無し滞納2週間を過ぎると怖いお兄さんが朝早くからドアを蹴りに来て、丸1ヶ月で裁判の手続きに入る事、

まともなローン屋さんは引き落とし不能が1ヶ月目からどんどん派手な封筒の振込用紙を送ってきて4ヶ月目に裁判になるという事をこの時学んだ。

あと、車検を取らずに車税を放置してたら数年で請求が保留になるということも。

 

まぁ当然裁判所にも行かなかった。

 

当時給料は振込じゃなくて手渡しだったし、親と同居だった事もあったからか差し押さえは来なかった。

車はローン会社名義だったまま部品として友達に2万で売った。今頃海外で活躍してるのかもしれないな。

 

免許も色々あって取り消し食らったけど、自動車学校には車検切れのマイカーで通ってた。

 

バイクの免許を取る金はなかったけど、バイクは欲しかったので先輩からバイクを売ってもらって、知り合いの修理工場に何故かいっぱい転がってた原付のナンバーを貰ってきてそれを付けて乗ってた。

当然のごとくバイクの代金をバックれて、先輩に見付かって雨上がりの水溜まりの中土下座させられて頭を踏まれたのは流石に痛かったな。

 

ちょっと思い出しただけでもこれだけ、もっと深く掘ると無限に出てくんじゃねえかって位に色々出てくる。

 

でも例えば暴走族にいたとか、ケンカして誰かを傷付けたとかそういうワルな事は全然無いの。

むしろ学生時代からいじめられっ子グループに入りそうで入らない陰キャグループに居たよ。

何というか独特な奴らとつるんでゲーセンで格闘ゲーばっかやってたな。

 

そんな俺も何か知らんが普通に結婚して一軒家買って、普通にもうすぐ孫も産まれる普通のクソジジイ。

ちょっと油断するとクズだった頃の闇の端っこが絡みついてクズに引き戻そうとするけど何とか生きてます。

 

兄曰く、嫁がクズだった俺を助けて真人間にしてくれた恩人。

俺も確かにそう思う。すげえよ嫁。ありがとう。

あの謎にザラザラしてるのが付いてないやつ

今週のお題「好きなグミ」

酸っぱかったり甘かったり、表面にジャリジャリザラザラしてんのがついてなければ基本何味でも良いです。

あれ付いてるやつ食ってると口の中痛くなってしゃぁねえ。

定食屋のおばちゃんがグイグイ来る

もう店を閉めて何年になるだろう、鳥の半身揚げ定食が無茶苦茶美味くて足繁く通った定食屋があった。

店に入るなり、店主の奥さんのおばちゃんが、

「あ、また来たね!今日も鳥かい?」

とメニューを見る暇もなく、ってか座る前にもう決めてしまう。だから鳥の半身揚げ定食以外のメニューに何があるかよく知らずじまいだった。

 

まぁそれはいい。実際Googleの口コミとか食べログの評価は鳥の半身揚げ定食以外はイマイチみたいな言われ方だったし、他のメニューを頼むつもりも無かったから。

 

だけどね、そこのおばちゃんが距離感がバグってるってか、何せグイグイ来るのが辛かった。

もうね、世間話が辛いの。

 

いつもの様に鳥を頼みカウンターに座るとおばちゃんが横に座り、数年前に息子がマンションを購入し、そこでは犬が買えないから息子の犬を店の主人夫婦の家で飼っている事、そしてもう年老いてガンに罹患してしまって先が長くない事等今からガッツリ系の定食食おうって俺の食欲を抉るような事を涙ながらに俺に語る。

おばちゃん「ガンが口腔にも転移しちゃってね…朦朧とする位の量の痛み止めで殆ど寝てるんだけどね、たまに意識がはっきりすると痛い、痛いって血を吐きながら鳴くの。もう今日明日にも死んでしまうかもしれない…目が離せないから店に連れては来てるんだけどね…」

 

いや、おい、連れてきてんのかよ…

その後席に運ばれた鳥の半身揚げ定食、砂みてえな味しかしなかった。

 

別の日も鳥を頼み、カウンターに座ると裏口に日本語がカタコトな若い女性が沢山来て何かを話している様子。

去っていった後にまたおばちゃんが隣に着座。

近所にベトナム人実習生の寮があり、何やかやで親しくなってお裾分けを貰ったらしい。

 

おばちゃん「いい子たちなんだー。みんなでパーティやるから寄りなとかって誘ってくれてね。おばちゃん達はお店があるから行けないよって言うと、じゃぁ料理を持ってきたから食べてねって置いていったの。」

そこで突如おばちゃんの笑顔が消え真顔に

おばちゃん「でもね、ほら、向こうの料理だから口に合わなくてね、おばちゃん達食べられないの。悪いんだけど食べてくれる?」

そう言ってラーメン丼みたいな器一杯の何か香草みたいのが入ったお粥と、同じ様な器一杯の見た事ない草みたいなのが入った嗅いだことない匂いのするサラダらしき奴が。

 

いやね、僕はね、鳥定食が食べたくてここに来たの。

アジアンなお粥が食べたかったらそういうお店に行くんで。

 

食いたくない物で腹が満たされた後に来た鳥の半身揚げ定食はやっぱり砂みてえな味だった。

 

その日以外にも、健康を考えたら脂っこい物や塩辛いものを控え、ジャスミン茶(ここが謎)を一日2リットル飲めとわんこそばレベルでジャスミン茶を注いできたりとかそれはまぁ毎回半身揚げ定食待ってる間にグイグイ来る訳ですよ。

僕は今からその店でも屈指の脂っこくて塩辛い鳥の半身揚げ定食を食うわけですが。

次に行った時には謎のジャスミン推しなんて無かったかのように一切触れなかった。

何だよ。ジャスミン茶にしばらくハマって未だに好きな責任取ってよ。

 

そんなこんなで頼んだ好物にまずたどり着く所までが大変だった鳥の半身揚げだけど、たまに猛烈に食いたくなるんだよな。

今は全く違う店になってるんだけど、前を通ると思い出す。

あのグイグイ来るおばちゃんと、普段は無口だけどたまにカウンター越しに昔話をする大将は今でも元気しているんだろうか。

 

大将の昔話、うんうんって頷いて居たけど、いっつも鳥を揚げてる音と真横にあるテレビでかき消されて8割方聞こえなかった。ごめんよ。でも聞こえないんだよ。腹から声出そうよ。

 

冨味煮汁

俺「でもね、そんな事をしたら相手の気持ちを踏みにじる事になってしまうから…あ、『ふみにじる』と言っても栃木県の郷土料理『冨味煮汁』の事では無いよ?」

 

嫁「え?何それ?」

 

俺「ああ、知らんのか。『冨味煮汁』ってのは、シュモクザメの頭部の張り出した部分を切り取って一度煮て天日干しにして、それを水で戻し、再度天日干しにして作った保存食『冨味煮』とちぎったこんにゃく、里芋などを鰹だしと醤油で味付けして作った郷土料理。」

 

嫁「1回干したのを水で戻すの?何故?」

 

俺「シュモクザメに限らず、サメの類は身にアンモニア臭があるからそれを抜くためと、その工程で余計な脂肪や繊維質を取り去って、ゼラチン質のプルプルした食感の部分を残すらしいよ?食感のみで出汁という出汁も出ないから鰹を使うみたい。」

 

嫁「へえ。初めて聞いたわそんな料理。」

 

まぁそうだろうな。

以前テレビで見た千鳥のネタを思い出しながらその場限りの思い付きで思い付いた食い物だし、そもそも栃木に海は無い。